貧血の時に書いたメモが出てきました。
弱った時の感覚を忘れたくなかったのでまとめてみます。
貧血の時は、耳鳴りと視界の悪さで世間から切り離され、まるで金魚鉢の中から世界を覗いている気分でした。
20代から鉄の数値が少しずつ下がり始めました。
貧血というのは体が慣れてしまうらしく、自覚症状が無い人が多いようです。私もそうでした。ちょっとだるい=普通になっていました。
よく誤解されるのですが、鉄欠乏性貧血で倒れることはほぼありません。
急に立ち上がった時とか、朝礼で立ちっぱなしの時に倒れるのは、起立性低血圧(立ちくらみ、脳貧血)です。これは脳の血流が悪くなるもので、貧血とは別物です。
本当に倒れるほど血が薄いなら、そもそもベッドから起き上がることすらできないはずです。
なんか、貧血というと深窓のお嬢様が「あっ(クラクラ~)」とかいって倒れるイメージがありますが、それが誤解を生んでいる気がします・・・
なんか、倒れることにちょっと憧れてる人いるよね?構ってちゃん的な?
貧血だと告白するとイラッとされることがあるのですが、構ってちゃんだと思われたのでしょうか?
貧血でも健康な人と同じように脳貧血は起こりますが、元々弱い分、耳鳴りや顔のしびれなどの予兆を感じやすいので早めに対処できます。しゃがんでしまえば倒れません。
本当に倒れたとしても、女優さんのようにキレイに儚げに倒れたりしません。口半開きで怖いし、下手するとお漏らしします。
今思えば、肌が白いねーと言われることが、1年に1回、3回、5回、とだんだん増えていました。貧血が治ってからは一度も言われていません・・・
ヘモグロビンの数値が9を切ったあたりでしょうか、症状が急激にひどくなりました。
(基準値:女性11.4~14.8 男性13.9~16.0 g/dl)
一応アマゾンでアメリカ製のごつい鉄剤を買ったのですが、全然効きませんでした。
歩くだけで息切れし、階段を登れません。当時はよく会社に遅刻していました。
スーパーに行っても、手前のお惣菜売り場までしか行けず、奥の精肉コーナーまで足を伸ばせない日が続きました。
ホームの真ん中を歩きたいのですが、人混みに負けてどうしても端っこに追いやられます。妊娠中の(貧血状態の)女性がホームから転落する事故がよくありますが、本当に人ごととは感じられませんでした。死の恐怖を感じました。
頭が氷みたいにヒンヤリ冷たく感じて(触ると体温はある)、顔が動かず、表情を作れませんでした。
何をするにも動きが遅く、声も出にくかったです。
肩こりというか、首の付け根が痛みました。
一番悪い時は、顔色が白いどころか緑色でした。
貧血の良いところは、痛いとか、吐きたいとか、そういった不快な症状がないところです。あ、肩こりは痛かったですが慣れてますので。
頭が冷たいとかフラフラするのは不快ではないですし、階段が駄目でもエレベーターがある所がほとんどだし。
苦しくないので他人に分かってもらおうという気持ちも薄く、上司にも言いませんでした。というか、誰も気付かなかったです。
普段お世話になる女性の先輩にだけ話しました。喋れないし相槌が打てなくて失礼な態度になってしまうので。
貧血の理由はなんとなく分かっていました。
毎月の出血がどんどん多くなっていたのです。夜は痛みでうなりながらベッドの上を転がっていました。
上記のひどい症状が3か月続いた頃、婦人科で診てもらいました。
ピルと鉄剤をもらったら、嘘のようにすぐ良くなりました。貧血は治り、量は少なくなり、痛みも少し軽くなりました。
鉄は最初だけだったけど、ピルは閉経まで飲み続けないといけないかな。太りやすくなるのが辛いけど、血栓症がこわいけど、しょうがない。まあいっか。
続きます。