あすかの人生劇場(ASD漫画ブログ)

アスペルガーのマンガ&エッセイです

アスペvsアスペの仁義なき戦い ①完敗 後編


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100人中2人がASDだとして、定型の98人が気持ちで繋がっている中、ASDはいつも孤独。

だから、ASDっぽい人が怒られたり困っていたら、別に励ますわけじゃないけど、さりげなく声をかけたり、健常者の回りくどい言葉を翻訳してあげたりと、私ならではのフォローがしたくなってしまいます。

だけど、これは私の短所でした。
思い付きで行動するので、その後どうなるかを想像できませんでした。その人がもし依存してきたらすべて受け入れられる覚悟はあるのか。もっと先まで考え抜かなければいけませんでした。



前編はこちら↓

www.asujinge.com

 

 

頭の回転が速い

茄子さんは跳び抜けて頭の回転が速く口が達者です。私は頭に浮かんだことを言葉に変換するのが苦手なので正反対のタイプです。

ただ、彼の頭の回転が速いのは、他人の気持ちを考えていないから近道できているだけのように見えました。

カレンダーを記憶したり、一瞬見ただけの風景画を描ける特殊能力のある発達障害者も同じ。普通の人ができることできないから凸が尖っているだけであり、当然のように思えます。

私がそこそこお勉強ができたのも同じ。普通の人が思春期に人間関係や精神面を成長させていた頃、私は何も考えずお勉強にしか脳のリソースを使っていませんでした。

みんなでこぼこがあって、得意なことと苦手なことがあって、それで当たり前なんだな、みんな違う野菜なので比べても意味ないんだな、と思いました。


上から目線

ASDは「わざとじゃないのに上から目線に見えてしまう」ことがありますが、今回のは「自覚があって上から目線をしている」ことについてです。

茄子さんは普段から女性や後輩に対して上から目線でした。

謙遜やへりくだりを真に受けてしまい、腰が低い人に対して素直につけあがってしまうんです。彼の場合子供の頃から頭がずば抜けていたろうし学歴も実力もあるので、自分が上だと思っても仕方ないかもしれません。


私も下手(したて)に出られると偉そうになってしまうこともあったし、逆に偉そうにされたらバカを演じていました。

自分というものが無いので相手から与えられた役を演じてしまっていたのです。「どうして私なんかに腰を低くするの?あなたのせいで王様役を演じなければならないじゃない!」と人のせいにしながら嫌々王様を演じていました。本当は王様役なんて望まれてなくて、お互い家来役をやればバランスが取れたのに、そこまで思い至りませんでした。

これは、大人になってすぐ直りました。
相手に手のひらを返されることで学んだり、鬱で引きこもっているうちに冷静になって気付きます。

でも、茄子さんはなかなか気付けないみたい。



茄子さんと私とで意見が分かれることがたまにあります。
そんな時彼は、私の意見をバカにして切り捨てます。

私も以前は相手がバカに見えることがありました。

でも、相手がバカに見える時は、たいてい自分がバカなんです。自分の視野が狭くて相手の思考を理解できていないだけです。

自分の意見が正しいと思っているから、相手の意見を深く考えることをしないのです。自分の視野が狭いことに気付かないまま、下手すると大きく恥をかくことになります。

私は茄子さんに恥をかかせないために、バカにされてもめげずに説明しようとしたのですが、食い気味で論破してくるので聞いてもらえませんでした。後で他の方から説明してもらいました。

私も話下手なので、仕方がないです。
食い気味で論破については面倒くさいけど別に腹は立ちません。

 

セクハラに注意

彼はことあるごとに私に「かわいい」と言うようになり、褒めちぎるようになりました。私のほうが10歳以上歳上で、地味だし美人じゃないし既婚だしさすがに恋心ではないのは分かります。

悪気が無く、良かれと思って言ってくれてるのは頭では分かってます。
人付き合いに不慣れな人が変な褒め方をしてしまうのは良くあることだと思います。私も会話に困ったらとにかく褒めるところを探すことがあります。

しかし、私の素直な気持ちとしては、言われるたびにゾーっとしました。
もし女性として褒めてるならセクハラだし、そもそもあなたに女性扱いされたくないし、おじさんを「かわいい」という女子高生のノリで言ってるなら失礼だし、小さくてか弱いものを愛でる「かわいい」なら年上の私はバカにされているように感じます。

言えば分かる人だと思っているから「そういうのやめなよ」とアドバイスしたいけど、毎日顔を合わせるのにギクシャクする関係になったら困るし。参ってました。


さらに彼は、私に「すごーい♪」と言ってもらうために、毎回さりげなく自慢話をしてくるようになりました。毎回毎回。

また、「そんなことないよ」と言ってほしいみたいで、「どうせ僕なんかカッコワルイですよ」「ダメな人間ですよ」などと言ってくるようになりました。

「すごーい」「そんなことないよ」とテンプレ回答すれば済んだのでしょうが、これ以上エスカレートさせたくなかったので華麗にスルーさせていただきました。


・・・茄子さんに限らず、アスペ男性から甘えられ、わがままを言われ、寄りかかられることが何度かあるので、私の問題でしょうね。距離を掴めないアスペさんに、この人なら何を言っても怒らない安らげる場所、と思われるんですね。光栄なことですが、私自身が弱すぎて抱えきれません。私が直さなきゃいけないんだな・・・



あと、嘘みたいですが、茄子さんはさり気なく私の手に触れてくることがありました。

書類を受け取ろうとしたら偶然触れちゃった…を演じてるつもりでしょうが、明らかに手を触りにきてます。ガサツを装って、隙あらば毎回チャレンジしてきます。最初はこんなことなかったのに…

画像:手に触れられる

手を引いて逃げるけどね。
私が逃げてる時点で気付かれてると察するのは無理かー。

初期に言えればよかったのですが、恥をかかせないで済む言い方やタイミングが分からなくてずっと悩んでました。私も悪い。

手を触るだけではなく、すれ違う際や座って打ち合わせ中、偶然を装って体や足に触れようとしてくるようになりました。身体が不器用でぶつかってしまうんじゃなくて、以前は普通でした。

で、触れても謝りません。バレてないと思っているようです。人の気持ちが分からないから、触覚も分からないのでしょうか。私には触覚が無いと思われている?

私がおかしくなってるのかよく分からなくなってきました。


彼にいつも見られている気がしていました。私は視線恐怖なのでちゃんと確かめてないので分かりません。目が合うのも嫌だし。でも、給湯室についてきたり、コピー室についてきたり、私が席を立つたびに彼が立って近づいてくるのは絶対本当です。いつも逃げ回っていました。

何度も言いますが、好きとかではないと思います。ドキドキしているようには見えなかったので。どちらかというとお母さん扱いですかね。理解者と話したい、優しくされたい、癒されたいという感じでしょうか。


空気が読めない上に、一直線で周りが見えなくなっているので、バレバレな行動をしてしまうんですね。彼ほど頭の良い人でもこうなるのか。いや、頭がいいからこそ、証拠に残らない範囲でし尽くせるのか?

私も恋をしてる時はバレバレだったのかもしれません。茄子さんの姿を見て、昔の自分が恥ずかしくなりました。


最初の頃は、アスペ仲間に少しでも癒しをあげられたらと思っていたけど、拒否感が強くて正常心を保てなくなりました。


自意識過剰だと思われたくないので会社の人には相談できないし、夫に相談したら殴りに行っちゃいそうだし、適当な理由をつけて会社を辞めました。


完敗です!