あすかの人生劇場(ASD漫画ブログ)

アスペルガーのマンガ&エッセイです

自分を客観視できないことによる困りごと


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私の社会的困りごとは、ほとんどが自分を客観視できないところから来ている気がします。

他人の目に自分がどう映っているのかよく分かりません。
ワーキングメモリ不足でそこまで考える余裕がありません。

そもそも他人と自分を重ね過ぎたりするし、逆に宇宙人のように理解できない存在、もしくは意味の無い背景のように感じたりします。同じ人間の一人一人だという感覚が薄いです。

宇宙人のよう、というのは健常者から見たアスペルガー人の比喩によく使われますが、結局、自分と似ていない人のことは理解できないという当たり前のことをお互い言い合っているだけなんですね。

心の理論を理解できないのはやはり大きいです。
サリーとアン問題は私は解けますが、現実はもっと難しい問題であふれています。自分一人だけ空気が読めていなかったり暗黙の了解が分からないことがあります。

説明してもらえれば理解できます。ドラマや漫画だと気持ちを分かりやすく表現してくれているので分かります。でも、生身の人間の気持ちをその場で(自分の感情を差し置いて)考えるのは難しいです。

子供の頃から自分が他人とどこか違うという事に気付いていたので、「自分が相手の立場だったらどう思う?」という思考法を信用していませんでした。考えたって、どうせ私と他の子は違うんです。

自分を客観視できない他人との距離感が分からない自分と他人との境界が分からないことでの困りごとを書き出してみました。

  • 一般的に恥ずかしいと言われる行動をしてしまう
  • その場にふさわしくない表情をしてしまう
  • 感情を出しすぎる、または出さなすぎる
  • 率直すぎる発言
  • 演技が下手
  • バレバレの嘘
  • 独り言
  • 自分以外は完璧超人だと思っている
  • 怒られると全人格を否定されたと思ってしまう
  • 矛盾を許せない
  • 教訓を真に受ける
  • 事実だけを信じる
  • 冗談を真に受ける
  • 人に話しかけるタイミングが読めない
  • 言葉遣いがおかしい(妙に丁寧だったり難しい言葉を使ったり)
  • 自分と他人の知識の差に戸惑う
  • 人の気持ちが分からない or 分かりすぎて同化する(思い込み)
  • 他人によって自分の行動が制限されることに耐えられない


このような困りごとのせいで周りから浮いてしまいます。
定型の人は自動的に定型発達するため(当たり前)、意識しなくても身に付けることができます。だから、当たり前のことができない私のような者を「努力不足」「無神経」「わざとやってる」としか思えないようです。

本人はなぜ努力不足扱いされるのか理解できません。どこをどう直せばよいか分かりません。みんなは私ほど考えて行動しているように見えないのにどうして?孤独感と疎外感で辛くなってきます・・・



しかし、この困りごとは無くすことができます。
一つずつ自覚して、考えて、つぶしていくんです。ただ、自分ではなかなか気付けないことなので、カウンセラーなりネットなりからヒントをもらう必要があります。

また、無くすためには、じっくり考える時間と心の余裕、冷静さが必要です。今の私は8割くらいは直せました。これは障害を治したという意味ではなく、自分の思考法を直した、社会性のスキルを身につけた、という意味です。私なりの直し方は長くなるので次の機会に。



このように性格を直していくことにより、見えてきたことがあります。

たくさんの人が「優しさ」を持っていたことです。そっとしておいてくれたのも優しさでした。一言くれたのも優しさでした。言葉を瞬時に吟味して傷つかない言い方をしてくれていました。世界は「気遣い」で組み上がっていました。

また、私のことを心配していると言ってくれた人が、次の瞬間には自分の趣味を楽しんでいた時、私はその人を口だけの冷たい人間だと思ってしまっていましたが、それは間違いでした。自分と他人は別の人間だということが、当時の私にはよく分かっていなかったようです。

私の周りの人たちは、私にはできない自然な気遣いを持っていました。それを発見できて、世界の解像度が上がりました。世間の常識からはみ出ている私を、みなさん広い心で受け入れてくださっていました。気付けなかったのは申し訳なかったです。ありがとうございました。