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私がASD的思考癖を直した方法3ー交流分析とエゴグラム


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私がASD的思考癖を直した方法2 - あすかの人生劇場

の続きです。

私が自分を修正したきっかけの一つが交流分析とエゴグラムです。
会社の研修で知りました。
この時私はまだ発達障害を知りませんでしたが、この考え方のおかげで、自分を変える大まかな筋書きを作ることができました。

交流分析とは、自分の人間関係を分析し「何が問題か」「これからどうすれば良いか」を考える手法です。エゴグラムは交流分析を元にした性格診断のことです。

OK牧場


人はみな尊重されるべき存在のはずです。(これを交流分析ではOKと呼びます)

しかし、私を含め、そう思えない人も多くいます。OKか、そうでないか、認識には4つのパターンがあります。

  1. 私はOK、あなたもOK
  2. 私はOK、あなたはOKでない
  3. 私はOKでない、あなたはOK
  4. 私はOKでない、あなたもOKでない


理想は1の状態です。みんなで尊重しあって仲良くやれる人です。

私は3(自分はダメ人間、他は完璧超人)でした。自己肯定感と他人への正しい認識が必要だということが分かります。

自分のどこが歪んでいるか理解し、1を目標として自分を変えていきましょう、というのがこの分析の目的です。

私はこの分析をしてみて、他人がなぜキラキラ輝いて見えるか分かりました。そして、こんな私を無条件に尊重してくれる人がいる謎も解けました。


親・大人・子供の3つの自我状態


人は、他人と話すとき「親」「大人」「子供」のいずれかの状態で相手と接しています。

  • 親=P(Parent)無意識に親や周囲から取り入れた思考・感覚・行動
  • 大人=A(Adult)知識や経験を使った冷静な思考・感覚・行動
  • 子供=C(Child)自分が子供だったときの思考・感覚・行動


同じ状態同士であれば、問題のないコミュニケーションになります。

同種



矢印が斜め平行な場合も問題ありません。
上下関係はありますが、予想通りの立ち位置から予想通りの発言が出ているので問題ありません。

平行



しかし、別の状態同士だとコミュニケーションが上手くいきません。
下の場合、A⇔Aの理性的なやりとりで終わるはずが、C(子供)が出てきてしまったので対応に困ります。

交錯

※私はCが強いのでたまにこうなります。弱い子供がPを怖がる心理状態になってしまいます。

※いじりもこれですよね。信頼関係のある大人⇔大人なら成り立つけど、「無邪気な子供→理性的な大人」だったり「支配的な親→従順な子供」だったりすると、いじられる側のストレスがすごいです。



また、表と裏で違う自我状態になっている場合もあります。

二重構造(裏面構造)

私はなかなかできませんが、こういう複雑なことを苦も無くできる人がいるんです。


脚本・値引き


交流分析では、「人は幼いころに無自覚に人生の脚本を作り、その脚本と矛盾するものは除外するか歪めてしまう」としています。脚本というのは、○○大学を卒業して大企業に就職して…というものではなく、生きる姿勢・習慣のようなものです。

私の場合「A(冷静な大人)」が非常に弱いです。これは、幼い頃からルールに縛られ、自分で考えることを除外してしまったからではないかと思われます。自分の問題解決能力を値引きしたんですね。

↓自分を値引きするとこんな状態になるそうです。私のことじゃないか!


値引きは、以下のようなものを含んでいる:受身(無気力)、過剰適合、不安、自意識の低下、怒り、暴力。

Wikipedia-交流分析

 

禁止令


また、私がルールを重んじたことは「禁止令」にあたるようです。

禁止令とは、幼少期に受けた「~してはいけない」という命令により、人生の脚本がネガティブになってしまうことです。

↓のサイトが詳しいです。
https://diamond.jp/articles/-/72577あなたを苦しめる幼少期の「13の禁止令」


なお、脚本は書き替えることができるというのが交流分析の基本です。自覚すれば直していけます。

ラケット


ストレスに晒された時、「A(冷静な大人)」が出てこない代わりに表れるのが「ラケット」です。ラケットはAよりも前に子供時代に作られた行動パターンです。

嫌なことを言われた時「怒る」のではなく「ヘラヘラする」、悲しい時「泣く」のではなく「怒る」など、実際の感情ではない偽者の感情が表に出てしまうのがラケットです。

Aによる理性的な問題解決ができないので、ラケット感情がなんとか対処してくれるんですね。でも健全な状態ではありません。

私は何を言われてもヘラヘラしてるので舐められてしまいます。ヘラヘラは意識的にやっている時もあるけど、無自覚な時もあります。今のこの状況の辛さから目を背ける効果があります。

また、夫に怒りをぶつけた時の気分を思い返してみたら、私の本当の気持ちは「分かってもらえない悲しさ」だったりしました。怒りは偽物の感情でした。

偽者の感情をラケット感情といいます。ラケット感情は本物の感情を見えなくします。何度も出てくるので本人にとって馴染み深くなっています。反射的に出てくるので自覚できません。自覚できませんが、毎回なんか気持ち悪い。この気持ち悪さを感じるところまでがラケット感情です。

 

Aを意識するようにした!


ラケット感情では本当の意味で問題を解決することができません。
私は「A(冷静な大人)」を強めるよう意識することにしました。

具体的には、感情が噴き出してウワァーっと全てを覆い隠してしまうのを抑えて、冷静に周りを見るようにしました。ワーキングメモリが少ないので、あれこれ考えずこれだけです。

感情に支配されず、離人状態にもならず、ただ現実を認識する。それが私にとっての第一目標でした。

それができるようになったら、「相手を言い負かしたい親の自分」や「ただ怖がる子供の自分」の存在を確認して、否定せず認めてあげます

その上で、他の視点で一歩離れて観察し、その場に適切なコミュニケーションを考えて行動するのです。これがAです。



んな簡単にいくかよ、と思われるかもしれません。現に、私もまだ完全にはできていません。

ただ、周りが見えるようになると景色が変わります。冷静に思考するのは気持ちが良いです。自分の成長を感じます。この感覚は、向上心をくすぐる報酬になっているのではないでしょうか。


なお、離人感についてはこちらに書きました。

参考:幽体離脱のようなもの(解離:離人症、離人感) - あすかの人生劇場


私はAが弱く、離人感があります。

1. Aが弱いことが離人感を引き起こした
2. 離人感がAを弱くした

どちらなのか悩みました。が、離人感が出るのはストレス時のみで、普通の時は冷静に考えることもできるので、Aが弱いことが離人感を引き起こしたのではないかと思います。

そして、Aが弱いのはルールを守りすぎて何も考えられなくなったからなので、ルールを見直すところから始めればいいのかなと思った次第です。

私がASD的思考癖を直した方法1 - あすかの人生劇場



エゴグラム


エゴグラムとは、交流分析を元に作られた心理テストです。
「真の自分」が分かるような心理テストではなく、「人間関係の成長と変化」が分かるテストらしいです。毎回結果が違います。

交流分析ではP(親)、A(大人)、C(子供)の3種類でしたが、エゴグラムではP(親)をCP(父親的)NP(母親的)に分け、CをFC(自由な子供)AC(抑圧された子供)に分けています。


CP(支配性)
厳しい心。自分の価値観を正しいものと信じて譲らず、責任を持って行動し、他人に批判的である。この部分が低いと、怠惰な性格になる。(Critical Parent)

NP(寛容性)
優しい心。愛情深く、他人を思いやって行動し、世話好きで保護的で親切である。この部分が低いと、冷淡な性格になる。(Nurturing Parent)

A(論理性)
論理的な心。現実を重視しており、知的で計算力が高く、聡明で頭脳明晰で合理的である。この部分が低いと、非合理的な性格になる。

FC(奔放性)
自由奔放な心。明るく好奇心旺盛でユーモアがあり、自我中心性で自己中心的である。この部分が低いと、閉鎖的で暗い性格になる。(Free Child)

AC(順応性)
協調性的な心。他人からの評価を気にし、言いたいことを言わずに我慢してしまい、従順で遠慮がちである。この部分が低いと、マイペースな性格になる。(Adapted Child)

Wikipedia-エゴグラム


それぞれに長所と短所があるため、バランスの良い状態が望ましいです。

参考までに、私の診断結果です。
通常時↓

エゴグラム結果:通常時

AC(抑圧された子供)がぶっちぎりで、親っぽいところが見当たりません・・・
親から何も学んでないのか?
ひたすらビクビク、たまに自由な子供です。

「自分に対してルールが厳しい」のでCP(支配的な親)が強いかと思ったのですが、エゴグラムは対人関係のテストなので、自分自身に対する厳しさは結果に出ないんですね。
Aが意外とありました。ストレスが無ければ人より合理的だということでしょうか。

ちなみにサイトの診断結果が超辛口です!
「乳児性が高い、社会人としての自覚が足りない、責任感も使命感も乏しい、非常に冷淡で思いやりや同情心に欠ける、社会生活に支障をきたし、変わり者扱い、劣等感、神経過敏、何の業績も上げられないまま一生を終える」とのこと・・・

最後のアドバイスも的確です。
「唯々、犬猫のように、周囲の思惑に振り回されて行くような無意味な生き方を、出来るだけ早く転換して行く事が大切です・・・」



次に、職場での自分を意識して診断を受けた結果↓

エゴグラム結果:仕事時

A(大人)が上がってます。やったね!
NP(養育的な親)もそこそこ。優しい先輩になれているようです。
もうちょっと人に厳しくなりたいところ。

辛口コメントは「事勿れ主義、実行力に欠け、格別の理想や使命感を持たず、絶対に人と争わない、必要以上に周囲へ気を配る、劣等感が強い、合理的な割には物事をテンポ良く運んで行けないタイプです」

うへぇ・・・
でもまあ、なかなか、平常時よりはマシではないでしょうか。

辛口のサイト

優しいサイト

よかったら試してみてください。50問ありますが。