アスペルガーは正義感が強く、悪への嫌悪感が強いです。
しかしこれでは喧嘩を売りまくりで結局傷つきまくりになってしまいます。
ダイバーシティで発達障害を理解していただいてきている中、アスペが正義感から各方面に噛みつくのも嫌だなあと思っています。
純粋だから悪が許せない
心が純粋で、正義感が強くて、真面目で頑固なアスペルガー。
身近にいる「ルールを守らない人」「悪口を言う人」「ずるい人」「不真面目な人」「甘える人」「感情的な人」などに対して嫌悪感を覚えることがあります。
私は今は丸くなったので嫌悪感はないのですが、若い頃はバリバリありました。自分が被害にあったわけでなくても。
そして、認めたくはないけれど、相手を蔑み見下してしまっている自分がいました。
自分はこんなに無理してルールを守っているのに、どうしてみんなは守らないのか、という苛立ちもありました。
「水清ければ魚棲まず」ということわざがあります。清廉潔白すぎると周りから人がいなくなるという意味です。
アスペルガーは子供の頃の教えを大人になっても律儀に守り続けます。
「清く・正しく・美しく」ときれいな部分しか知らずに育つと、悪に対して過敏に反応してしまいます。
ぶつかるか、避けるか
嫌悪感を覚える相手に遭遇してしまった場合どうするか。
私の場合、純粋な心を全開にしてにこやかに相手にぶつかっていき、私の力で相手が浄化してくれることを期待します。ですが、残念ながら相手は変化せず私が傷つくだけ。
それを繰り返して、どうやら近づかないほうが良いらしいと気付き、距離を置いて避けるようになりました。
完璧ではない相手を認め、完璧ではない自分も認める
距離を置けばトラブルはなくなります。
けれど、それでは相手を蔑んでいる気持ちが残ったままですし、自分が正しいと思ったままです。それでは進歩がないし、完璧主義である自分の首をさらに絞めてしまいます。
完璧な人間なんかいません。他人は絶対に自分の理想通りではありません。
自分も完璧じゃなくていいんです。完璧って辛いでしょう?
自分にできないことがあるように、相手にもできないことがあります。
相手が善意でしてくれたことでも、自分にとって耐え難いこともあります。自分が良かれと思ったことでも、相手に嫌がられることもあります。
完璧でない相手を認めることは、完璧でない自分を認めることに繋がります。お互いが楽になれます。社会とは本来こういうものです。完璧さを見せつけ合う場所じゃない。それを分かっているから、みんな人前で未熟な自分が出せるんです。
気に入らないコミュニティの存在も認める
「悪口ばかり言っているグループ」や「享楽的にウェーイと酒を飲むイベントサークル」「実績よりもごますりや根回しが評価される職場」も確固として存在します。
気に入らなくても存在するものは仕方ありません。それに、そのコミュニティの中で生きていかざるを得ない人もいます。仕事のため、子供のため、孤独にならないために。
人間の欲求の中に「所属欲求」というものがあります。集団に属したい、他者と関わりたいという基本的な欲求です。これが満たされてはじめて、承認欲求・自尊欲求に繋がります。
私は一人のほうが楽だけど、本当に独りぼっちになってしまうのは怖いです。
どんなコミュニティにも存在する意味があります。それぞれの正義があります。自分と合わないなら、拒否するのではなく距離を置けばいいだけです。許す許さないではなく、そういう人もいるよね、と存在を認めるだけ。
ダイバーシティはこのようなカラフルな平面空間に例えられます。私のいるコミュニティがオレンジの一点なら、自分と合わないコミュニティは離れた藍色のところにただ存在するだけ。否定する必要も、分かりあう必要もない。どちらも存在していていい。
そう思うと、生きるのが楽になります。
例えば、私はカサンドラの方にはたくさんSNSで愚痴ってほしい。でも目にすると自分が言われているようで傷ついてしまう。だから、カサンドラのコミュニティには近づきません。コミュニティ内でたくさん愚痴って慰め合って少しでも楽になってほしいと思っています。
具体的にどうすればいいのか
相手を認めて放っておくのが一番ですが、どうしても言わなくちゃいけないのなら。
アスペルガーが他人を責める時の言い方には独特のくせがあります。
- 「常識ですよ」
- 「普通~でしょ」
- 「誰でも知ってますよ」
自分が世界の中心、世界の常識、神の視点に立っているような言い方。断定口調で反論させない物言いです。恥ずかしいのでやめましょう。
- 反論してこない相手にはエスカレートする
- 調子に乗って気持ちよくなる
- カッとなると止まらなくなる
- 言ってはいけないと分かっている言葉でも衝動的に言ってしまう
- 周りから学んだ汚い言葉を良かれと思って使う
- 間違っている人には何を言ってもいいという態度
- 本当のことなら何を言ってもいいという態度
わざとやってるわけではないので、直すのは難しいと思いますが・・・
これら全部、私が周りのアスペルガーの人から言われたセリフ、態度です。おかげで、人のふり見て我がふり直せました。
喋っている最中の自分を俯瞰で見る、というのはアスペルガーにとってはとても難しいことです。
でも、少しでも自覚があるならば、このような言い方をやめれば衝突は無くなってきます。
冷静に、自分を上に置かずに、ゆっくりでもいいから一度頭で考えてから、相手を下に見ていると思われないような話し方を意識すると良いです。